━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.102 ━ 2020.07.22━
さ く ら 中 央 税 理 士 法 人 か ら の お 知 ら せ
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===相続関連トピックス=======================
┏◆自筆証書遺言書保管制度が開始
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2020年7月10日より、法務局で自筆証書遺言書保管制度が開始されました。
これまで被相続人自らが執筆した遺言書は自己責任での保管が求められ、
箪笥や金庫などに保管することが一般的でした。
他には信頼できる弁護士などに保管を委託することもあるようです。
■自筆証書遺言の保管問題
①失くしてしまう
②破棄されてしまう
③相続人が遺言書を見つけ出せない
自筆証書遺言を適当に保管すると、保管場所を忘れてしまったり、
何かの拍子に別の場所へ移動されてしまう危険性があります。
また、遺言は相続の内容を確定させる重大な書類であるため、
不利な扱いを受ける相続人が遺言書を破棄するリスクも考えられます。
そして、遺言書の存在を被相続人しか知らなければ、
いざ被相続人が亡くなった後に相続人が遺言書を見つけることができません。
遺言を探すという発想に至らないことも考えられます。
■自筆証書遺言のリスク
自筆証書遺言は誰のチェックもなしに作成することができます。
そのため下記のようなリスクもあります。
①様式不備で無効になる
⇒民法第968条で定められた様式を満たしかつ自ら執筆することが求められます。
もし、様式不備と判断されれば遺言書が無効になります。
②内容不明確で相続が面倒
⇒遺言書ではどの財産を誰に引き継ぐのか明確にするのが原則です。
特定できないと当然、遺産の分割ができず、裁判所の判断を仰ぐことになります。
■法務局で遺言書を保管するメリット
①失くならない
⇒法務局が遺言書を保管してくれるため紛失の心配がありません。
②破棄・改ざん・隠匿されない
⇒推定相続人や第三者に破棄、改ざん、隠匿される心配もありません。
もし正しく作成された遺言書でも誰かに改ざんされた場合は無効となってしまいます。
③検認が不要
⇒自筆遺言証書を見つけたら家庭裁判所に申し立てて様式のチェックを受けます。
これを検認といいます。
検認が終わるまでは平均1ヶ月以上かかり、その間は遺産分割を進めることができません。
これは相続人にとってはデメリットと言えます。
しかし遺言書保管制度を利用した場合は検認が不要となるので手早く遺産分割できます。
■法務局で遺言書を保管するまでの流れ
①自筆証書遺言書の作成
⇒様式の注意事項を確認しながら遺言書を作成します。
http://www.moj.go.jp/content/001318459.pdf
②保管申請書の作成
⇒法務局に備え付けの定型用紙に必要事項を記入します。
また、法務省のHPで申請書、記載例をダウンロードすることができますので、
事前にプリントアウトして記入をすることをおすすめします。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00048.html
③必要書類
・自筆証書遺言書
・保管申請書
・添付書類(本籍の記載のある住民票の写しなど)
・本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証などの顔写真付きの身分証明書)
・保管申請手数料(1通につき3,900円(収入印紙で納付します))
④自筆証書遺言書の申請先の確認と保管申請の予約
⇒遺言書の保管を申請する法務局は、
遺言者の【住所地】か【本籍地】か【所有する不動産の所在地】を管轄する法務局になります。
また、あらかじめ予約が必要です。
法務局へ電話、又は直接窓口で予約することも可能ですが、
予約サービス専用HPがありますのでそちらからの手続きが便利です。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00010.html
⑤遺言者本人が法務局へ赴き申請
⇒自筆証書遺言の保管を希望する場合には、
遺言者自身が法務局に出向いて申請手続きを行わなければならず、
代理人による申請や郵送による申請はできません。
原則として書類に不備がなければ、即日処理されるそうです。
手続き終了後、遺言者氏名・出生年月日・遺言書保管所の名称・
保管番号が記載された「保管証」を受領します。
後日、閲覧、保管申請の撤回、変更、相続人等が遺言書情報証明書の
交付を請求する際に保管番号が必要になります。
この制度を利用することで、従来の自筆証書遺言の弱点を補うことができ、
安価な費用で遺言書を保管してもらえるため、相続トラブルを避けるには有用な制度といえるでしょう。
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