━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.049 ━ 2017.07.19 ━
さ く ら 中 央 税 理 士 法 人 か ら の お 知 ら せ
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さくら中央税理士法人です。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
===税務関連トピックス=======================
┏◆法人課税と個人課税について
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最近、税率に関するお問い合わせを受けることが多くなりました。
そこで今回は法人税率と個人税率の比較を行ってみます。
〇法人税率(法人税)
代表的な税目は、法人税、法人事業税、都道府県民税、市区町村民税です。
近年は、企業の収益性や競争力を高めるための施策として法人税率は段階的に
引き下げられています。
法人税率の推移を振り返ってみました(財務省資料より)。
昭和59年度 43.3%
昭和62年度 42%
平成元年度 40%(消費税導入)
平成 2年度 37.5%
平成10年度 34.5%
平成11年度 30%
平成24年度 25.5%
平成27年度 23.9%
平成28年度 23.4%(現在)
平成30年度 23.2%
数字だけを見るとずいぶん税率が低いかな!と思いますが。
現在は消費税が導入されていますし、諸外国に比べても日本の法人税率はまだまだ
高いです。
〇個人税率(所得税)
代表的な税目は、所得税、住民税、個人事業税です。
所得税と住民税の最高税率の推移を振り返ってみました(財務省資料より)。
《所得税》 《個人住民税》
昭和49年度 75% 18%
昭和59年度 70% 18%
昭和62年度 60% 18%
昭和63年度 60% 16%
平成元年度 50%(2,000万円超) 15%
平成 7年度 50%(3,000万円超) 15%
平成11年度 37%(1,800万円超) 13%
平成19年度 40%(1,800万円超) 10%
平成27年度 45%(4,000万円超) 10%
所得税と住民税を合わせた最高税率が93%(75%+18%)という時代は想像できないですが、現実にあったようです。
〇さて!どちらが有利?
個人で事業を行う場合と法人を設立して事業を行う場合の税額を比較します。
所得金額が500万円、700万円、1,000万円、1,500万円の4つにて比較してみます。
前提
①個人事業主から法人に移行するにあたり、給与の支給はないものとして単純に税額を
算出しております。
②法人課税の算定は、法人税、地方法人税、事業税(地方法人特別税を含む)、都道府県
民税、市区町村民税を算定しております。
③法人課税には資本金等に応じて別途均等割額が発生しますが、計算の都合により省略
しております。
④個人課税の算定は、青色事業者(65万円控除)を対象とし、所得税、住民税、個人事
業税を算定しております。
【所得金額】 《法人課税》 《個人課税》 《差》
500万円 1,238,100円 1,210,000円 個人課税が 28,100円少
700万円 1,752,900円 1,911,500円 法人課税が158,600円少
1,000万円 2,772,400円 3,151,500円 法人課税が379,100円少
1,500万円 4,677,700円 5,551,500円 法人課税が873,800円少
所得金額が700万円を超える場合には、個人課税より法人課税の税額が少なくなることがわかります。
〇法人から事業主(経営者)に役員に給与を支給すると・・・
これまでの比較ですが、実は、法人から事業主への給与の支給がない前提でした。
個人課税の場合、事業主(経営者)は事業所得として課税されますので、経営者は自ら
の事業から給与の支給を受けることはできません。これは、必要経費にできないためです。
法人課税の場合、経営者に役員給与を支給することで、損金処理を行うことができます。
支給を受けた事業主(経営者)は、給与所得として所得税の課税を受けることになります。
法人から個人の所得を移管することで、法人税が減少しますが、個人で給与所得として
所得税・住民税の課税が発生します。
法人から個人の所得の移管によって、税目が変わるだけでなく、給与所得には一定の控
除(給与所得控除)によって、課税される金額が少なくなり、所得税・住民税も軽減さ
ますので、税額の差は更に大きくなります。
ただし、法人から給与を支払う際には、社会保険の加入が必須になりますので、税金以
外の部分にも目を向ける必要があります。
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