━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.067 ━ 2018.5.28 ━
さ く ら 中 央 税 理 士 法 人 か ら の お 知 ら せ
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===税務関連トピックス=======================
┏◆遺言と異なる遺産分割協議は可能?
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遺言は、死後に生じることになる財産の処分、つまり遺産の承継に対して、
被相続人の意思を反映させることのできる唯一の方法です。
適正な法的手続きに基づいて作成されていれば有効となり、本来、死亡の
時から絶対的な効力を持ちます。(遺言>遺産分割協議)
今回はこの遺言と異なる遺産分割は可能か?という点についてお話していきます。
まず基礎知識として、
遺贈…遺言による財産の無償譲渡
受遺者…遺言によって財産を取得した人
であり、
さらに遺贈には2種類あります。
特定遺贈…特定の遺産を特定の人に譲り渡すこと
例)土地はAさんへ、銀行預金はBさんへ
対象者は相続人・相続人以外の両方。
包括遺贈…遺産を割合で指定して譲り渡すこと
例)全ての遺産の3分の2をAさんへ、3分の1をBさんへ
対象者は相続人以外。
相続人の地位にない人に対し、相続人と同一の権利・義務を与える行為です。
相続人に対して遺言で割合を指定した場合は包括遺贈でなく、指定相続分として
取り扱うこととなります。
さて、本題の遺言と異なる遺産分割を行うことに関してですが、基本的には
可能です。ただし以下の条件を満たす必要があります。
1.被相続人が遺言と異なる遺産分割協議を禁じていない
2.相続人全員の同意
3.受遺者の同意
4.遺言執行者の執行を妨げない、もしくは、その同意
※遺言執行者…遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う権利・義務
を持っている人
次に、各条件について解説をしていきます。
1.遺言書にこのような記述がなければ問題ありません。
2.相続人全員が遺言の内容を知った上で、これと違う遺産分割を行うこと
について同意しているということです。
3.相続人以外が受遺者である場合には、その受遺者の同意も必要です。
遺言により遺産を取得する権利を放棄することを、他の受遺者・相続人に
対して意思表示しなければなりません。
4.もしこの立場の人がいる場合、相続人は勝手に相続財産の処分をしては
ならず、遺言の執行を妨げる行為ができないため、あらかじめ同意を得ておく
必要があります。
最後に税金についてですが、各人の相続税の課税価格は、通常の遺産分割協議
を行った場合の計算と同じになります。
遺言書と異なる遺産分割をしたことによって財産を取得する人が変わり、
相続人間の「贈与」や「交換」があったと解釈されたとしても、そこに贈与税
が課税されることにはなりません。
ただし注意すべき事例があります。
それは相続人以外の特定受遺者がいる場合です。
こちらで起こった「交換」の場合は譲渡益に所得税が課税されます。
なぜなら相続人以外は遺産分割協議に参加する権利がないため、もともと遺言書
で指定されていなかった財産については、「相続で取得した」と解釈することが
できないからです。
また包括遺贈を放棄する場合の注意点ですが、こちらは相続の放棄と同様に、
原則相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所において手続きをしなければなりません。
相続人と同一の権利・義務が生じるという点でこういったことにも注意が必要です。
今回のテーマに関しては以上となります。
税金の面だけでなく、遺言書の法律的な解釈の仕方の違いが、不動産の登記をする
際の方法の違いにも繋がるため、遺言書と異なる遺産分割において配慮することは
他にもまだまだありそうです。
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