メールマガジン No.81

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.081 ━ 2019.05.08 ━

さ く ら 中 央 税 理 士 法 人 か ら の お 知 ら せ

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いつも大変お世話になっております。
さくら中央税理士法人です。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
===税務関連トピックス=======================
┏◆「イータ君」が税務相談にのってくれる!?
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皆様はチャットボットというものをご存知ですか?
今回紹介するのは人工知能を活用した自動会話プログラム。
昨今様々な企業HPの問い合わせ窓口としての採用が進んでおり、
横浜市では行政サービスとしてごみ分別案内にこのチャットボットを活用しています。
国税庁でもAI技術などのICTを活用して、納税者の利便性向上・税務行政のスマート化を図るのは2年ほど前から検討されてきたことでした。
納税者は、例えば申告書の作成などで疑問が生じた際、問い合わせに大変手間がかかります。
なぜなら税務署へ電話や直接訪問するのには開庁時間や混み具合も考慮しなければなりませんし、
検索に不慣れな場合HPにアクセスし大量の問い合わせ先一覧から該当箇所を見つけ調べる必要があるためです。
そこでインターネットのチャットを利用して気軽に「税務相談→AIが内容を分析→回答する」
という仕組み作りのためのシステムを開発することになりました。

以前2018年5月配信のメルマガでも取り上げさせていただきましたが、
東京都主税局は都税に関する納税者からの問い合わせに対応するために、開発事業者の公募を行った後、
2018年5~7月(もっとも税務相談の増える時期)に3回にわたって実証実験(※)を行いました。
最終的に効果が確認できたため、2019年4月~2020年3月に国税庁HPでもチャットボットを試験設置する運びとなったのです。
※1回目 自動車税に関する問い合わせ
2回目 納税や納税証明に関する問い合わせ
3回目 主税局ホームページのコンシェルジュ

国税審議会(2019年3月13日開催)の説明資料にてチャットボットの流れが紹介されています。(P.11)
http://www.nta.go.jp/about/council/shingikai/190313/shiryo/pdf/04-2.pdf

国税庁HP上のイータ君(※)のアイコンをクリック(現段階では未設定)

チャットウィンドウが開く

質問を入力しAIが自動回答
(回答のしづらい質問には逆にAIから質問し内容を補完)

※国税電子申告・納税システム(e-Tax)のイメージ定着のため、シンプルで親しみやすいキャラクターとして平成16年に誕生

試験設置段階では
・税務署の所在地等の案内
・医療費控除などの所得控除やローン控除
・e-Taxの操作方法
などの確定申告に係る簡易な質問に対応します。

このICTを活用した税務相談、海外ではすでに実施されておりそちらを参考にしたそうです。
例)シンガポール
2015年Ask Jasmineというバーチャルアシスタント(所得税に関する自動相談機能)導入。
現在は機能拡大し印紙税・資産税にも対応。
あらかじめ用意された回答例データベースから最適な回答を探し出し提示する仕組み。

シンガポール内国際入庁のHP
https://www.iras.gov.sg/irashome/default.aspx

イギリス、オーストラリアでも同様のサービスを提供しているそうです。
このチャットボットに対し批判等の意見もあります。
・税務相談は複雑な制度に対するものが多く、
AIが分析できるような定型的な文章を作ったり、
わからないことを言葉にすること自体が納税者にとって難しいのではないか?
・それよりもオペレーター支援としての利用が望ましい。
(様々なケースに対応できるオペレーターへの情報提供をAIで瞬時に行う)
・納税者とはコールセンターを通じ対話での解決を進めていくことが有力だ。
(民間委託で外部切り出しをすれば日時にとらわれない365日24時間の相談チャネルが実現、一元化し税務署別の対応も必要なし)
上記のようなものになります。

たしかに一理あります。
しかしながらそもそものチャットボットの目的は、多岐にわたる税務相談の中で、
税務職員でなければ対応できないもの、知識さえあれば誰でも答えられるものとに分けられ、
後者をチャットボットに対応してもらうことで税務職員の負担を軽減させること。
また、納税者が日常会話の中でよく使う簡単な言葉からいかに正しい答えにたどりつかせるか、
そのために約3000人の税務担当職員が普段受けている質問をアンケートし集め、AIに学習させ、
質問と回答のペアのパターンはどんどん増えていっています。
学習を重ねるほど正答率が高くなってゆくのがAIのいいところ。
今後もそれを続けていけば税務という分野でも十分に対応しうると財務省主税局は考えます。

必ずしも人が行う必要のない作業はAIにお任せ。
人はもっと質が高くイレギュラーな作業に集中できるようになる。
人にしかできない業務への集中も目的の一つです。

このチャットボットが相談事例の蓄積・学習を繰り返しながらより洗練されたものになってゆき、対応範囲が拡大していくことを望んでいます。
どんな問い合わせが来ているかを収集・分析することで、今よりもっと国税庁のタックスアンサー(文章回答事例)も充実したものになるかもしれません。
今後の動き、2020年からの正式運用に期待しましょう。

ご不明な点がございましたら、さくら中央税理士法人までお問合せください。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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担当者へのお問い合わせの際は、このアドレスの返信ではなく、
担当者宛のアドレスにご返信いただけますようお願いを申し上げます。
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