メールマガジン No.101

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.101 ━ 2020.07.08 ━

さ く ら 中 央 税 理 士 法 人 か ら の お 知 ら せ

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いつも大変お世話になっております。
さくら中央税理士法人です。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
===労働関連トピックス=======================
┏◆賃金請求権の消滅時効が2年から3年に延長へ!
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今年の4月に改正民法が施行されました。
約120年ぶりとなる空前の大改正といわれています。
その中で、「時効」についての改正がありました。
時効についてはいろいろな場面で影響を受けると思われますが、今回は、
労働基準法の賃金請求権の消滅時効と実務への影響に焦点を当てて
見ていきたいと思います。
■改正民法の消滅時効は5年、または10年に統一、

改正された民法においては、、
①債権者が権利を行使できる時(客観的起算点)から10年が経過したとき、
②債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から
5年が経過したとき、
債権は時効によって消滅するとされています。
従来、債権の種類ごとに、まちまちになっていた時効期間は、原則として
「主観的起算点から5年間・客観的起算点から10年間」に統一されました。
■賃金の消滅時効は、

民法改正に伴い、賃金のルールを規定する労働基準法も一部改正されました。
主な改正は以下の通りです。

・賃金請求権の消滅時効期間の延長
賃金請求権の消滅時効はこれまで2年でしたが、5年に延長されました。
但し、労使の権利関係が不安定になるとの懸念から、当分の間はその期間が
3年となります。
そのほかに、賃金台帳などの記録の保存期間なども当面3年に延長されます。
詳しくは下記参考資料をご覧ください。

(参考資料)厚生労働省リーフレット
・未払賃金が請求できる期間の延長について
https://www.mhlw.go.jp/content/000617974.pdf
■実務への影響・・・未払い残業代の実態は、

平成30年度に労働基準監督署の監督指導を行った結果によると、残業代の
未払いを指摘されて100万円以上支払った企業は、全国で1,768社、支払われた
割増賃金は約124億円(1企業当たり704万円)にのぼります。
賃金請求権の消滅時効期間が従来の2年から3年に延長されることでこの額
は更に増えるように思われます。

(参考資料)厚生労働省報告
・監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成30年度)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/chingin-c_h30.html
■未払い残業代が発生しないように注意する点について

サービス残業などの未払い残業代が生じていると、社員のやる気の低下や
社内の雰囲気も悪くなりがちですが、今回の改正で企業として抱える金銭的な
リスクは今まで以上に大きくなることが予想されます。日頃から未払い残業代
が発生しないように気を配っていくことが大切になります。
以下、いくつか注意点を挙げてみましたので参考として頂ければと思います。

①労働時間を正確に把握されていますか?
企業には労働時間を適切に管理する義務があります。
労働時間の管理に不備がないか再点検する必要があります。

②割増賃金の計算を正確に行っていますか?
基本給のみで割増賃金の計算を行い、本来含めなくてはならない手当を
含めずに算出し、時間当たりの単価が少なくなり未払残業代が生じている
ことがあります。

③固定残業代の運用が適正に行われていますか?
厚生労働省の通達によると、固定残業代とは、
「一定時間分までの時間外労働、休日労働及び深夜労働に対する割増
賃金として定額で支払われる賃金」
とされています。この“一定時間分”に着目する必要があります。
つまり、「45時間分の時間外労働手当」を固定残業代とした場合、60時間の
時間外労働をすれば、差分の15時間分の時間外労働の手当を支払わなければ
なりません。
(参考資料)厚生労働省リーフレット
・固定残業代の適切な表示について
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000184068.pdf

④管理監督者の範囲は適正に規定されていますか?
過去にも「名ばかり管理職」として肩書きは役職者ですが、実態は管理職
としての権限が与えられず、更に残業代の支払い対象外として残業代が払われず
にいたケースがありました。
このように管理監督者としての処遇でトラブルにならないよう注意する必要が
あります。
(参考資料)厚生労働省リーフレット
・多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/09/dl/h0909-2a.pdf
※お知らせ
今回号を担当しました特定社会保険労務士の吉田訓行と申します。
社会保険・労働保険関連のトピックスは『さくら中央社労士事務所 吉田』が
担当させて頂きます。その時々の旬な話題を出来る限り分かりやすく丁寧に
ご提供できるよう心掛けて参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ご不明な点等ありましたらお気軽にお問合せください。
【問合せ先】さくら中央社労士事務所 吉田
電話  03-6661-2344 / E-mail  yoshida@ysd21.com
※このメールアドレスはメールマガジン専用のアドレスです。
担当者へのお問い合わせの際は、このアドレスの返信ではなく、
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